お金の借り方について少し調べたことのある人なら、どこかで総量規制という言葉を目にしたことがあるでしょう。

総量規制とは、過剰な借り入れ(貸し付け)を防止するために設けられている、貸金業法上の決まりです。申込者は年収の1/3以上を借り入れることが出来ないという内容で、たとえば年収300万円の人は、合計で100万円までしか借り入れられない規定になっています。
この決まりは、改定貸金業法が2010年に施行されるときに、借金できる金額が減ってしまう!と騒がれましたが、適応除外項目を細かく設置するなど、当初の印象よりも融通のきく規定になっています。正しい総量規制について、確認してみましょう。

総量規制は個人が貸金業者から借り入れする場合に適応

総量規制は貸金業法で決められている規定で、個人が貸金業者から借り入れる時にのみ適応されます(貸金業法の第13条「過剰貸付け等の禁止」)。この規定を正しく理解するためのキーワードは、「個人」が「貸金業者」から借金する、という部分です。つまり、個人でなく法人で借り入れする場合は無関係ですし、個人が銀行などから借りる際にも適応されません。個人の借り入れすべてのケースに適応されるわけではないので、その点を正しく理解しましょう。

また、総量規制の年収1/3という数字は、返済負担率という考え方からはじき出されたものです。
返済負担率とは、家計に対してローンの返済が占める割合のことを表しますが、従来から返済負担率が50%を超える顧客は、金融機関にとって要注意の顧客でした。無理なく返済できる返済負担率は、年収400万円未満の人なら30%程度と見込まれています。総量規制の1/3という数字は、33.3%程度。この程度の借入れに制限しておけば、債務不履行になることはないと見越しての規定になっているのです。

適応除外項目・例外項目も要チェック!

総量規制には、実は除外項目・例外項目が細かく設定されています。

【主な除外項目】
・不動産購入や不動産改良のための貸付(住宅ローンなど)
・自動車購入時の担保ローン(自動車ローン)
・高額療養費の貸付
・有価証券担保貸付け
・不動産担保貸付け  など

【主な例外項目】
・顧客に一方的有利となる借換え(おまとめローン)
・緊急の医療費の貸付け
・社会通念上緊急に必要と認められる費用を支払うための資金の貸付け
・配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付け
・個人事業者に対する貸付け  など

例えば年収300万円の人が、すでに合計100万円の借り入れを利用していた場合、本来なら総量規制で満額借りていることになりますが。、そのような場合に急病で入院することになりお金が必要だとなった場合には、例外的に追加融資が受けられる、ということもあります。
また、複数の金融機関から借り入れをしているけど、消費者金融1か所でローンを1本化(おまとめ)したい、という場合も、顧客にとって有利になる貸付なので、年収の1/3を超える額でも借り入れ可能となります。

収入のない人は総量規制に注意

総量規制で一番注意しなければいけないのは、収入のない人や、収入の低い人の場合です。

最大借り入れできる金額が年収の1/3と計算されるのですが、たとえば無収入の人は年収が0円なので、貸付可能額も0円になってしまい、消費者金融から借りることはできません。また、パートなどで年収の低い人は、収入が安定していれば借り入れは出来ますが、年収90万円の人なら30万までの借入れに制限されます。

これにより、自分に収入のない専業主婦は消費者金融での借り入れは不可能になりました。
専業主婦の人は、貸金業法の関係ない銀行カードローンなどで、配偶者の収入で借りられる専業主婦向けのカードローンなどを探すようにしましょう。